第8回 銀の森の会 平成平成23年8月18日(木)
「女性の本音」が付加価値を生む

- 講師:株)パーティ・フー 代表取締役社長 石井 みな子
- ヒット商品を生み出す。人の流れを変える。今、世の中を動かす力の源にあるのは「女性視点」です。新商品の開発や博覧会などのイベントで、成否のカギを握るのは「女性が魅力を感じるかどうか」。石井みな子さん率いるパーティー・フーは、独自のネットワークを活用して「女性の本音」を吸い上げ、情報として顧客に提供しています。コンサルティングだけでなく、企画立案、デザイン制作まで一貫して行うのがパーティー・フーのスタイル。これまで手がけてきた数多くの事例を示しながらお話してくださいました。
- 近所のおばさん、友だちのお嬢さん。「普通の女性」の視点を反映させる。
- パーティー・フーの設立は、1986年。ちょうど商品開発や空間演出に女性の視点を生かす、という発想が生まれたころでした。でも、取り上げられるのは女性の有識者や文化人、専門家の声ばかり。「一般の生活者としての女性、例えば近所のおばさんとか、私の母とか、友だちのお嬢さんとか、そういった普通の女性の声は反映されているのかな、と疑問に思いました」
その疑問がネットワーク作りのきっかけになり、友だちの友だち、そのまた友だち、と本音を語ってくれる女性の輪を広げていきました。さらに「身近な人ばかりでは、意見が偏ってしまうかもしれない」と拠点作りを進め、現在では東京、広島、北九州など国内に6拠点、ニューヨーク、パリ、上海など海外に6拠点。「企業や行政から依頼があれば、これ、どう思う?とネットワークを通じて問いかけます。すると、ドーンと本音が返ってきます」
言いたいことを言ってもらったあとは、それを情報として提供できる形に整理。事業を成功へと導くための具体的なアドバイスや企画、デザインへとつなげていくそうです。
- 「これでは女性には理解できません」。
わからないことをわかってもらうのが最初の仕事。 - 例えば、経済産業省や農林水産省などの後援で開催されたバイオテクノロジー関連のイベントに携わったときのこと。バイオテクノロジーについて、女性の理解が深まるような展示や、来場者を増やすための企画を依頼されました。「生命倫理、なんて言われてもチンプンカンプン。私がわからないことは、たぶん一般の女性もほとんどわからない。そう思って、こんな話は難しすぎてわかりません、これもわかりません、これもわかりません、と連発しました」
信用金庫から依頼を受けたときも「信金と銀行の違いを知っている女性はほとんどいないと思いますよ、と言ったら、そんなはずないでしょう、とビックリされてしまって」。女性はこういうことはわからない、という現実をわかってもらうのが最初の仕事、と苦笑します。
- 「これでは女性には理解できません」。
- 女性ならではの視点で、最後まで責任を持ってブラッシュアップ。
- 「だからといって、わからないままでいるのは良くないなぁ、と思うんです。だから、私たちの次の仕事は、扉を開いて知ろうとする意欲を持ってもらうこと」。多くの女性に「楽しそう、行ってみたい」と思ってもらえるようなネーミングやデザイン。「これならわかる、面白い」と感じてもらえる展示。ダメ出しだけで終わるのではなく、より良いイベントにするための提案を次々に打ち出し、全体をブラッシュアップしていきます。
パーティー・フーが手がけるのは、博覧会や地域活性のためのイベントだけではありません。企業の新規事業、情報パンフの発行、ウェブサイトの立ち上げ……。さまざまな分野で、男性スタッフだけでは思い浮かばないようなアイデアを次々と実行し、期待された以上の成果を上げています。女性の視点にこだわることで生まれる付加価値は、これからも多くの成功例を生み出していくに違いありません。
