会社や組織が運営する事業の関係で、いくつもの試薬や化学薬品を購入・保管をしている。
また生成された廃液や危険物質、使いきれなかった薬品の後処理にも追われている・・・
そんな部署に携わるお客様の困りごとの解決方法を、「薬品管理システム」を例に書いてみたいとおもいます。
お手持ちの試薬や化学系廃棄物、こんなことになっていませんか
- 部署や保管場所の関係であちこち格納しており、管理の負荷が高い
- 未だに人の眼と手で数え、帳簿やEXCELシートに書き込んで管理している
- 誤記やデータの抜けがあり、たびたび数値が合わない
- 担当者それぞれのやり方をしていて社内で一元管理できない
- 薬品管理ソフトやシステムがあっても、使い方やメリットがわからない
- 古い薬品が危険な状態で残ると、管理が滞る
いかがですか?
我々、化学系薬品の分析・廃棄業者が年度の切り替わりの時期によくお聞きするのは、お客様のほうで担当者が交代して、新任の方が管理や廃棄にお困りになるパターン。
あとは、薬品管理システムをお持ちなのに、活かせていないパターン。
さまざまな事情をお聞きするのですが、化学薬品の廃棄手続きで大変な思いをされるお客様がいらっしゃいますね。廃棄物のデータを業者に渡す際、必要な項目が抜けていてやり直しが発生するなど、ノウハウがないばかりにコストや時間がかかる、といった事態が見られます。
薬品管理システムは何を管理するの?
- 購入予測・試算
- 購入した薬品のあらゆるプロフィール、保管場所や量
- 現在消費している薬品
- 消費後の余った薬品
- 廃棄方法ごとの廃棄物管理
薬品はロットが大きいですから、大抵余ってしまうんですよね。
余った薬品だけでなく、廃棄物が溜まってしまうことも多いでしょう。生成後は種類も増えてきますよね。薬品の廃棄は法律上厳しい規制や法令がついて回るので、担当者さんも頭の痛いところです。
薬品管理システムを、正しい利用方法で運用すれば、コストダウンなどに効果的です。
何故薬品管理システムができたか?
平成13年4月、PRTR制度が施行されてからです。
薬品に関するコンプライアンスの一種で、経済産業省が指定する462種が対象になります。この462種について、事業者は毎年の購入量、使用量と廃棄量を自治体に届け出ることが義務付けられたのです。
こうした法令に対応するために、多くの事業者が常に薬品のデータを把握する必要がでてきました。
それに呼応したシステムが下の3社さんが販売されているような「薬品に特化した管理システム」ですね。
薬品管理システムを作っている代表的な会社は以下です。(順不同)
- 関東化学株式会社(試薬メーカー)
- 島津エス・ディー株式会社(機械メーカー)
- 富士フイルム和光純薬株式会社(試薬メーカー)
関東化学さんと富士フイルム和光純薬さんは大手試薬メーカーで、多くの会社や組織に薬品を卸しています。
実は試薬メーカーのほうでも、卸した先のユーザーの薬品管理が適切になされているか、処理・廃棄の適正化について把握する必要が出ています。
弊社が行ったディスカッションのなかでも、関係3者(メーカー、試薬を買って使うユーザー、我々廃棄物の処理業者)が薬品管理システムによって繋がれば、コンプライアンス対策を含めスムーズに業務を進められるのではないか、といった感触を得ました。業界全体の関心は今後より高まると思います。
薬品管理システムが解決に導く課題 1
さきほどPRTR制度をご紹介しましたが、化学薬品を扱うお客様がぶつかるもう一つの壁は「薬品の廃棄に関するコンプライアンス」です。
ちょっと専門的なお話になりますが、廃棄物を我々のような専門業者に委託するときでも、「廃棄する側の社会的責任」として、環境省で定めた連続的な手続きが必要になるのです。
データシートのやり取りから始まって、契約、工程管理、作業完了報告まで・・・。
慣れていないお客様であれば、もちろんやり取りの手間、思わぬ時間を取られることがあります。
SDS(薬品メーカー作成のデータシート)はお聞きになったことがあるでしょうか?
廃棄の手続きには、お客様側から該当の薬品の詳細データを提出していただくことになります。
データが楽に出せれば、見積もりやその後の工程で手間やコストが削減されるのです。
薬品管理システムを運用していれば、こういったデータの受け渡しが楽になります。CSVデータなどで、直接弊社に送信頂けるお客様もいます。
お客様が廃棄までを事業の一環として考えておられるなら、ご負担感の違いは大きいと思うんですね。
薬品管理システムが解決に導く課題 2
先程SDS(薬品メーカー作成のデータシート)のお話をしましたが、次はWDS(廃棄物データシート)についてです。
SDSは買ったままの純粋な試薬のプロフィールですが、WDS(廃棄物データシート)は我々が混合廃棄物と呼んでいる、いわゆる混ぜてある化学物質のプロフィールです。
混合物を廃棄する場合には、SDSの情報だけではもちろん正確ではありませんので、お客様のほうで詳細なプロフィールの作成をすることになります。
廃液や化学系の廃棄物には、思わぬ毒性を持つものや、まだ環境や人体にどのような影響があるかわかっていないものも珍しくありません。
薬品の適切な処理が絶対視されている現代では、社会的責任としてWDS作成が必須の手続きとなっています。
SDSほどには単純ではありませんが、薬品管理システムをうまく運用できていれば、処理のお見積もりや、その後続く行政手続きの工数が大幅に削減されます。
廃棄フェーズだけではなく、システムによってデータや履歴が蓄積されれば、事業全体の可視化が進みます。日頃見渡しにくい、複雑で予測がしづらいとお感じであれば、導入後は効果や対策が得られるはずです。
薬品管理システムを導入して効果のある組織は?
このシステムの恩恵を受けやすいお客様は、
- 余った試薬をそのまま廃棄したい
- 年に何度か定期的に廃棄したい
- 複数種の薬品をまとめて管理する必要がある
そういったお客様になります。そもそも、この記事を書こうと思ったのもですね。
こういった薬品管理システムをすでに導入されているお客様とのやり取りのなかで、これは二度手間をされているかな?と思われるフェーズが見えて。「システムから直接CSVで落としてもらい、そのままもらえますか」とお願いをしたことがあるんです。「薬品管理システムをこのように使って頂くと、廃棄手続きが楽です」とご案内したところ、「なるほど気付かなかった」という反応を頂くことが何度かあったからなんですね。もちろんペーパーレスで書類を送り合わずに済む場合もあるんですよ。
今回はそのことを弊社のホームページに載せて、業界に広くお気づき頂けたらということになったのです。
最後に朗報をおひとつ
そうですね、最近導入しやすい価格になってきていることでしょうか。
IT技術の進化やインフラが安価になったこともあって、以前よりずっと低コストで導入できるようになっているそうです。恩恵がありそうだと思われるお客様は、是非ご検討いただければと思います。
再度、薬品管理システムを作っている代表的な会社を掲載します。(順不同)
- 関東化学株式会社(試薬メーカー)
- 島津エス・ディー株式会社(機械メーカー)
- 富士フイルム和光純薬株式会社(試薬メーカー)
弊社では上記薬品管理システムを販売してるわけではありません。化学系薬品の廃棄業者として、お客様への情報提供として記事を公開しております。
薬品廃棄のお値引きサービスのご案内
薬品のリストをデータでいただくことで、コスト削減と、より確実な情報伝達を実現する一挙両得のサービスです。
事業活動において薬品を使用されている排出事業者様へ朗報です。
弊社では、薬品廃棄のご依頼をいただく際に、廃棄する薬品のデータをご提示いただくことで、御見積・検品等の作業を効率化するシステムを開発致しました。
そのことにより、この度、廃棄費用をお値引きするサービスを開始する運びとなりました。
このサービスは費用面でご協力できるだけでなく、薬品の性状等の情報伝達をより確実に行うことにも繋がります。
- 情報伝達の確実性UP!
- コスト削減!
また、薬品管理システムを導入している排出事業者様に値引き額の大きいAパターンと、条件を満たせばどなたでも適用可能なBパターンをご用意致しました。
コスト削減と、より確かに排出事業者の責任を果たすことができるようになるこのサービスを、ぜひご活用いただけましたら幸甚です。
薬品廃棄のお値引きサービス詳細
ご提供いただく情報とお値引き額(エクセルもしくはCSV形式)
- パターンA 薬品管理システムを導入している企業様へ
以下の必要項目を満たせば、廃薬品1本につき最大200円お値引き!!
- 薬品名
- 性状(液体・固体・粉体・泥状等)
- 容器の大きさ
- 本数
- 関連法規
- 薬品管理システムに登録されている容器ID(バーコードNo)
- パターンB 上記に該当しない企業様へ
以下の必要項目を満たせば、廃薬品1本につき最大100円お値引き!!
- 薬品名
- 性状(液体・固体・粉体・泥状等)
- 容器の大きさ
- 本数
- 関連法規
- お手持ちの際にはご提供いただきたい情報
- SDS
- 物理的及び化学的性質
- CAS ナンバー
データ例
このデータですとパターンAとなります。
- 容器ID
- 850061500386
- 容器商品名(日)
- 過マンガン酸カリウム
- 性状
- 粉体
- 容器
- ガラス瓶
- 規格
- 500g
- 内容量
- 400g
- 法令情報
- PRTR法[2001/04/01]第一種-412,消防法第一類酸化性固体-第一種酸化固体,麻薬及び向精神薬取締法 特定麻薬向精神原料,安衛法 安衛法該当品目,安衛法(特化則)第二類該当品目
注!! 但しサービスの適用には諸条件がございます。まずはお問い合わせください。
ご依頼の流れ
- ご依頼
- データご提供
- 下見・御見積
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